【ツッコミどころ満載!?】ドコモとLINEが描くオンライン診療の未来図

【ツッコめ!】 LINEとドコモが描く オンライン診療の未来図 使い方

オンライン診療の推進は国や企業が積極的に行なっています。
そこで今回は企業の活動に注目してみました。
今回選ぶのはLINEとドコモです。
それぞれがオンライン診療についてのイメージ動画をYouTubeにアップロードしていますので、それを見比べてみましょう。
この2社が描くオンライン診療の未来図のどちらが実現できそうなのかをみていこうと思います。

LINEとドコモのオンライン診療のイメージビデオを見てみよう

まずはそれぞれのイメージビデオをみてみましょう。

LINEドクターのイメージビデオ

LINEは2020年9月10日(木)に開催した、LINE Business Conference 「LINE DAY 2020 ーTomorrow’s New Normalー」でLINEドクターのイメージビデオを紹介しました。

出典:YouTubeのLINE DAY https://youtu.be/ugAheJH5yhA?t=326

子供が急に熱を出し、すぐに病院にいけない時にLINEドクターを使ったオンライン診療で医師の診察が受けられるという内容です。
製品説明に加えて、子を思う親の気持ち、そして親を思う子の気持ちが表現されているとてもエモい動画に仕上がっています。

ドコモのイメージビデオ

対して、ドコモも2021年10月18日にこちらの動画をYouTubeにアップロードしています。

出典:YouTubeの「あなたと世界を変えていく。」 オンライン診療 30秒 https://www.youtube.com/watch?v=FolK19-2Fd0

こちらは子供が遠くの専門医でなければ診察が受けられなかったことをきっかけに、医療の地域格差や専門医の偏在に疑問を投げかけるような内容になっています。

2社の動画の共通点と相違点

まずこの二つの動画の共通点と相違点をあげてみましょう。

どちらも患者視点の動画

どちらも患者視点の動画となっています。
例えばですが、医師や病院目線の動画も作ることはできたと思います。
ビジネス視点で考えればオンライン診療を導入するのは医師や病院です。このLINE、ドコモにとっての顧客は医師や病院ですので、それらが業務改善になるとか儲かるとか、ブランドイメージをあげるというような内容にすることはできたはずです。
でもどちらもそのような内容にはしていなくて患者目線になっています。

どちらも母親と子供という関係性

どちらもお母さんと子供が登場人物です。
これは子供の体調不良を気にしたり、看病するのは今の日本では母親の仕事という実態があるのでしょう。
この点に関しては父親は出る幕もないということかもしれません。

相違点としては、子供の性別が違います。
LINEが男の子、ドコモが女の子です。
これはそれぞれのストーリーが影響しているのではないでしょうか。
LINEの動画の一番の感動ポイントは母を思う子だと思います。
そこで考えてみると、男の子と女の子のどちらが親に感謝をよくするのでしょうか。
これは女の子だと思います。
だからこそ、普段は感謝をしない男の子の感謝が際立っています。

反対にドコモでは具合の悪そうな人は出てきませんね。
女の子も終始明るくて元気です。
これは母にとって女の子の方が同性で感情移入がしやすいのではないでしょうか。
母親も昔は女の子でした。
そこに昔の自分を重ねたりして明るい未来を想像できるようになっているのではないでしょうか。

ちょっとイメージを整理しますと、

LINEドクターは医療です。
病気を治す、マイナスをゼロにするといったところにオンライン診療の価値を見出しているのではないでしょうか。

ドコモはヘルスケアです。
より健康に生きる、ゼロをプラスにするといったところにオンライン診療の価値を見出しているのではないでしょうか。

どちらもいい家に住んでいる

もう一つ、どちらもいい家に住んでいるなという印象です。
動画の演出として見栄えの良さで選んだという点はもちろんありそうですが、想定している利用者の年収などを反映しているのではないでしょうか。

オンライン診療はある程度の年収がある家庭で使われていそうです。

どちらも医療・世界を超えるという意思表示

そしてどちらもオンライン診療で世界を変えていくという意思表示がされています。
2社は会社の規模も大きく、利用者も多いサービスです。
オンライン診療の普及に大きな影響を及ぼすことでしょう。

二つの動画にツッコミを入れてみましょう

どちらも素晴らしい動画ですが、これって大丈夫かなともうようなツッコミを入れる点もあります。
こちらの動画はおそらくイメージや概念を伝えることを目的としています。
そこに具体的なことを言うのはややナンセンスですが悪しからず。

LINEの動画で医師の労働環境はどうなっているのか

LINEの動画では深夜に子供の体調が悪くなり、すぐに医師の診察を受けています。
おそらく実態ではこのようにオンライン診療に対応している病院は少ないです。
多くの医師も定められた労働時間内で働いています。
もちろん深夜に働いている医師はいるのですが、救急の対応や当直など別の仕事をしておりオンライン診療に充てる時間をどの程度確保できるかは不明です。

また、医師の労働負荷削減は国の方針です。
2024年には規制も強化されていきます。
そのような環境で「深夜もすぐに診察が受けられるオンライン診療」と言うイメージをつけるのはやや時代にそぐわないかもしれません。

ドコモの動画は制度違反ではないのか

ドコモの動画では「医療から圏外を無くす」という力強いメッセージを送っています。
遠方の専門医とコミュニケーションをとる母娘の姿が出てきます。

そこで考えてみたいのはこの医師と家族はどれだけ遠方なのでしょうか。
なぜこれが大事なのかというと、オンライン診療は緊急時に30分で対面診療に移行できる場合にやるものというルールを厚生労働省が出しています。

医師と家族がこのルールに沿っているか動画からは判断することができません。
この動画を見た人はどれだけの距離が離れている印象を受けるのでしょうか。
私の印象としては少なくとも地方(関東、関西、東北、九州など)は違う場所だと思いました。
それだと30分ルールには反していそうです。

そのルール自体がいいのか、それってオンライン診療のメリットを出せていないのではないかという話もあります。
その点をドコモがどう考えているのかは興味があります。
それを知っていながら、そんな制度は壊してやるというような隠れた意思表示だったらahamoを契約してもいいかなと思っています。
そんなこと全く考えていないとなると、担当者がクビにならないか不安です。

続報
ドコモとオンライン診療サービスのメドレーが提携した詳細はこちら。

動画で描いた未来を作ってくれることに期待

ということでLINE、ドコモ両者のオンライン診療のイメージビデオを紹介しました。
どちらも素晴らしい動画のクオリティですが、目指しているものは違いそうです。
またどちらも世の中の流れや、オンライン診療の方針からみるとツッコミどころもありました。
今後はどのような展開をするようになるか期待しましょう。

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